高齢社会とリストラ化
ついに来るべきものが来た。
内心、びくびくと怖れていたが、きっと任命されるだろうと予想していた、呪われ役ーいわずと知れた、リストラ専門人事部長に俺が選出されたのだ。
いや、選出などというと、おこがましいに決まってる。
だいたい、このリストラ専門人事部長なんてのは、もう会社にとって、用済みの能力のない、リストラ一歩手前の社員が選ばれるのだから。
俺の部署は、三年前から売り上げが左前だったが、ついに去年、半分以上の社員がリストラに遭い、もう閉鎖部署になってしまうだろうと予測されていたが、ついにそのときが訪れたのだ。
以前の人事部長は、急に退職した。
原因は、表向きは病気治療に専念したいとのことだが、実態は、ストレスから生じる被害妄想、幻聴、そこから生じる数値200以上の高血圧だった。
酒もたばこもまったくしない人だったが、想像以上のストレスがたまっていたのだろう。
だいたい、人を傷つけて良心の呵責を感じるという善良な心の持ち主ほど、ひどいストレスを感じるという。
しかし、噂によると、リストラを言い渡した社員の息子に、ビール瓶で殴られたらしい。
なんでも、その社員は、リストラになってから一年間、無職で、息子は当時、金のかかる仏教系私立の高校生だったが、それが原因で中退に追い込まれたらしい。
なんでも、その私立高校は、煙草を所持している現場を教師に見つかっただけで、退学というような、厳しい高校だったという。
制服のまま、入店できる飲食店も、学校指定の中華料理屋かそば屋と決まっているという、極めて生徒を型にはめようとするがんじがらめの高校で、授業料も一般の私立高校の1.4倍だったらしい。
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